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赤ちゃんを望む夫婦のための役立つ知識。
このカテゴリでは、不妊症、不妊治療に関する本のレビューを掲載しています。
「もしかして不妊症?」と不安を感じた夫婦向けの、不妊治療の総合情報書です。前半では、女性と男性、それぞの自己チェック項目が40ページ近くにわたり解説つきで紹介されており、不妊症と決める前の、他の原因や対策を見つける手助けになる様になっています。
その後、検査期間だけで2?3ヶ月かかることや、初診はふたり揃って出かけることなどのアドバイスを踏まえつつ、検査の具体的な内容が紹介されています。
治療に関しては、排卵誘発剤による治療が紹介されており、その際、卵巣に問題があったり、心因性の無排卵や卵管の閉塞といった問題がある場合の治療についても、個々に解説がなされています。
本書は常に夫婦ふたりで協力して治療するというコンセプトが徹底されており、最終章でのテーマにもそれは表れており、本書を特徴的なものにしています。
本書の内容は、生殖医療の現状と技術解説の本ですが、他の類書との違いは、患者さんとの対話を含むケースレポート(症例)が多数盛り込まれていることと、著者のこの上なくやさしく分かりやすい文章にあります。医者と患者両者の細かい対話を通じて、現在の「生命の誕生」がどういった形になってきているのかを、技術と倫理の両面から考えて理解して行くことが出来ます。
そして、これらを踏まえることによって、不妊治療を受けようとするカップルは、自分達の治療方針を自信を持って選択し、医師と共に歩んで行けるようになるでしょう。
言うなれば本書は、生殖医療に携わる医師側の悩みと歓びを通じた、温かみのある技術書という、とても個性的な本と言えるでしょう。そのことは、本書のタイトルが「授かる」とされていること、そして「子供をもつこと」とされていることからも、よく伝わってきます。
本書は、不妊治療を受けた著者自身の体験を、その心の軌跡と共に綴った本です。しかし本書が特徴的なのは、単なる体験談にとどまらず、治療後は医師への取材をはじめとする精力的な活動を行い、社会制度面から患者環境を改善できないかということを考え、不妊を通して様々な考察をされている点にあります。
著者が、「不妊治療にはカウンセリングが必須と思われながらも実際はそれとは程遠い」ということを問題視しているのは、著者の体験を思えば納得させられます。
「この本を単なる不妊治療のノウハウ本にしたくない」という著者の言葉通り、本書は前後半それぞれに特徴を持った問題提起の書になっています。不妊の不安を持っている人、治療を受けている人にとって本書は、しっかりと考え行動を選択して行くためのヒントを得られるのではないでしょうか。
著者も言うように、その治療が長期にわたることも多い不妊治療においては、十分な説明と同意、すなわちインフォームドコンセントが必要なのは言うまでもありません。しかしそのためには、医療を受ける側に正確な情報と知識が必要です。本書は、“しっかりと医学的に理解したい”という夫婦のために役立つ、本格的な内容になっています。
本書の各ページは全編カラーで、検査・治療について平易な文章で書かれた主文と、学問的な根拠を示すための引用文献の解説が併記される形で構成されています。単なる情報ガイドに堕すことなく、学問的な理解にまで踏み込んだものになっていますので、治療方針を医師と検討する際に大きな力になることでしょう。
豊富な知識というものは、不安の気持ちを和らげてくれるものです。医師の経験と判断力を100%生かしてもらうには、患者側の努力も必要だという事実は、インフォームドコンセントのひとつの側面だと言え、本書はその力になってくれることでしょう。
不妊治療には期待と不安がいっぱいです。結果がなかなか出ない時には、自分達が受けている治療がこれでよいのか、回り道をしていないか、もっと良い方法があるのではないかと、不安や心配を感じてしまうこともしばしばと思われます。
本書では、不妊治療の数々について、それらの特徴や解説、その治療の必要性といったものを、「妊娠率」「副作用」「痛み」「費用」の項目ごとの評価によって紹介することで、それらの不安を解消してくれます。さらに本書を特徴付けているのが、治療結果にあわせて、三段階のステップにわけて治療方法を紹介している点です。
第1ステップでは検査およびタイミング法が取り上げられています。生理の終わりごろに受けるホルモン検査や、子宮卵管造影検査など、排卵の状況の把握やからだの健康を理解し、その上で性生活のタイミングを計るというステップです。
第2ステップでは、卵巣刺激や人工授精といった療法が登場します。排卵誘発剤には内服薬と注射薬があるという説明や、人工授精の妊娠率が10%ほどという解説などがなされています。そして、第3ステップでは、体外受精と顕微受精の段階となります。
「不妊治療は加齢との闘いでもあり、成果が得られないまま同じことを繰り返しても時間を無駄にするだけ」という著者は、「焦らず、急いで、やるときは一生懸命」をスローガンに、本書を通じて力強く応援してくれます。
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